くじら座
ようこそ、天体ブログ「できたらいいな、星間旅行へ!!」へ。
太陽社長の岡本大助さんに触発されて惑星や天体に興味をもった管理人の天蛙(あまがえる)です!
宇宙や惑星のことをご紹介して、仮想の星間旅行をして頂ければと思います。
さて今回は「くじら座」について。
くじら座(鯨座,Cetus)はトレミー48星座の1つで、黄道に接していることもありしばしば小惑星が域内を横切ることでも知られています。
以前このブログで紹介した小惑星「ベスタ」も、1807年にこのくじら座の域内で発見されたのだそう。
くじら座のちょうど真ん中(喉元)にあるo星(ミラ)は、くじら座で最も有名な変光星です。
なんと歴史上初めて発見された変光星もこのミラ。明るさが2等星から10等星まで変わる振れ幅の大きさが特徴です。
ミラと同じく2等星なのが尾の部分にあるβ星(ディフダ)です。くじら座ではこの2つが最も明るい恒星だと言われています。
さて、「くじら」座という名前なのに、この星座はあまりくじらに見えないと思いませんか?
僕たちが知っている海洋生物であるくじらとは似ても似つかないというか…。
それもそのはず。このくじら座は、ギリシャ神話に登場する巨大な海の怪物「ケートス」をモチーフにしているからです。
ケートスはくじらやイルカのような膨れた胴体に犬の頭部を持つ怪物です。
下半身は魚で、2つに割れた扇形の尾を持っています。
ケートスは以前紹介したアンドロメダ座のモチーフ、エチオピア王国のアンドロメダー王女の神話に深く関わっています。
アンドロメダ座の回でも紹介した通り、母親(カッシオペイア)が娘であるアンドロメダーの美貌は神々にも勝ると言ったことに怒った神々が、アンドロメダーをさらい海の岩場に縛り付けてしまいます。
そのときにポセイドーンによってつくられたのがケートスで、アンドロメダーはケートスの生贄にされてしまうのです。
そこへ通りかかったのが、メデューサを退治したばかりの英雄ペルセウス。
ペルセウスはメデューサの首を使いケートスを倒し、アンドロメダーを助け出します。
ペルセウスとアンドロメダーのその後結婚し、6人の子どもに恵まれました。
勝手に神々によってつくられ、あれよあれよという間に英雄に倒されてしまったケートス。
ちょっと可哀想というか、同情を誘いますね…。
とはいえ、ケートスはペルセウスとアンドロメダーの恋のキューピットに違いありません。ケートスなくして2人が結ばれることはなかったのですから!
さて次回はギリシャ神話に登場する人物がモチーフという「オリオン座」について紹介していきたいと思います!
太陽社長の岡本大助さんに影響された天蛙でした。