や座
ようこそ、天体ブログ「できたらいいな、星間旅行へ!!」へ。
太陽社長の岡本大助さんに触発されて惑星や天体に興味をもった管理人の天蛙(あまがえる)です!
宇宙や惑星のことをご紹介して、仮想の星間旅行をして頂ければと思います。
今回は「や座」について書いていきます。
や座(矢座、Sagitta)はトレミー48星座のうちの1つ。
全天(空の全体)のなかで、みなみじゅうじ座、こぐま座に次いで3番目に小さい星座です。
全体的に暗く、矢の先にあたるγ星が最も明るい恒星(3.47等星)だといわれています。
ところで、この「や座」ですが。
なんとも地味な形をしています。
これを「矢」と見るのは少々強引なんじゃ…と思ったのですが、調べてみると多くの古代文明でこの星の形が「矢」として認識されていたそう。
記録に残っているのは古代のペルシア人、ヘブライ人、ギリシア人、ローマ人たちで、彼らの文明には「や座」に関するさまざまな物語が残っているそうです。
すごいですね。離れた地に住んでいる人たちが同じ星を見て同じ物を連想するなんて…神話めいたものを感じます。
神話といえば、「や座」に関するギリシア神話について。
ギリシア神話では、この矢が誰の矢であるかということについて諸説あります。
ここでは、主に語られる2つの説を挙げたいと思います。
(1)愛の女神であるアフロディテの息子であり恋心を性愛を司る神・エロス(キューピット)が持つ愛の矢説
エロスの持つ矢には恋に関することは何でも自由自在に操れる力がありました。
エロスの持つ黄金の矢で射られると人間や神々は恋心を起こし、鉛の矢で射られるとどんなに熱い恋心も一瞬で冷めてしまったそう。
エロスはこの矢を使い、オリュンポスの神々や下界の人間に散々イタズラをしたそうです。
(2)大地の神ゼウスの息子であるアポロンが、鍛冶屋であるキクロプスたちを射殺した矢説
アポロンには、医学の神・アスクレピオスという息子がいました。
しかしある日、アポロンの父であるゼウスがアスクレピオスを雷電の矢で射殺してしまいます。
これに激怒したアポロンは、雷電の矢をつくった鍛冶屋のキクロプスたち(単眼の巨人族)を全員射殺します。
このことが原因でアポロンは天界を追放され、長い間下界をさまようことになるのでした。
この他にも、ギリシア神話の英雄ヘラクレスの矢説などがありますが、一番有名なのは(1)のエロスの愛の矢説です。
黄金の矢と鉛の矢…あなたならどちらが欲しいですか?
次回は夏の星座ともよばれる「わし座」について紹介していきます!
太陽社長の岡本大助さんに影響された天蛙でした。